前回のシケラックの続きです。
最近の建築塗装で、ニスとしてのシケラックはあまり使われません。
ウレタンクリアが中心で、希にクリアラッカーを使います。
でも、シケラックは必需品なんです。
どう必需品かというと、
「アク止め」「滲み止め」「縮み止め」などの効果があります。
シケラックは、アルコールには熔解しますが、強溶剤では熔解しません。
この性質を利用して、
例えば、過去に弱溶剤の塗料を塗られている部位に、
強溶剤の塗料を塗ると、その強溶剤のために
下地の弱溶剤塗料が溶けて縮みが発生します。
そこでシケラックを下塗材のように塗り、
その上に強溶剤を塗ると縮みを抑えられるのです。
塗料メーカー的には正規の仕様ではありませんが、
これ無しでは作業を進める事が出来ません。
また、階段等の鉄製の手摺を塗装する場合、
その手摺に人間の「油」が付着している事があります。
薄く付着しているので、
目視では確認出来ず、塗装を始めてからしばらくすると
部分的に縮みが発生することがあります。
その「油」が原因なのですが、
その縮み部分にシケラックを一刷毛塗ると綺麗に治まります。
このような万能的な使い方が出来る塗料なのです。
なので修行中、シケラックは「アク止め」「縮み止め」の
下塗材と思い込んでいました(笑)
外壁塗装で用いる事は殆どありませんが、
内部塗装ではとても便利な塗料なのです。
お試し下さいませ。
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